物流業界入門

物流業界の基礎から最新トレンドまで、現場経験を活かしてわかりやすく解説!

2026-01-01から1年間の記事一覧

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【連載中】物流構造思想ワードシリーズ 【物流構造設計】コストを「武器」に変える ── 戦略整理・壁打ち・執筆支援のご案内 【完全保存版CLO特集】 新着記事 【寄稿解説】なぜ私は「物流の主役はトラックではなく、倉庫になる」と書いたのか(2026/05/09)…

【イラン“海を失う”という現実】――鉄道へ逃げた物流が示す、制裁時代の新しいルール

2026年4月。 イランは、米国による港湾封鎖によって、 これまでの物流前提を大きく崩されました。 これは単なる輸送トラブルではありません。 「海で運ぶ」という前提そのものが失われた という、構造変化です。 ■ すでに起きている現実 まず、数字を見てお…

【寄稿解説】なぜ私は「物流の主役はトラックではなく、倉庫になる」と書いたのか

「トラックを休ませた代償がこれですか?」 残業960時間規制で露呈した、物流が止まる“もう一つの現場”(Merkmal) - Yahoo!ニュース ――メルクマール寄稿で描いた、“2024年問題の本当の重心移動” 先日、 ビジネスメディア「メルクマール」に、 物流2024年問…

【豊田自動織機、IHI物流買収の“次の意味” 】

――5.9兆円TOBの先で始まる、「物流を止めない企業」への進化 2026年5月。 豊田自動織機が、 IHI傘下の「IHI物流産業システム」を子会社化すると発表しました。 表面的には、 自動倉庫 コンベヤー 冷凍冷蔵対応設備 搬送システム の強化に見えます。 しかし、…

【構造考察】ガソリン補助金1800億円。その本当の延命先はどこか

――政府が支えているのは「家計」ではない。“軽油で動く物流インフラ”である 経済産業省は5月7日、 燃料価格抑制のための政府補助金について、 2026年3月分の支出額が約1800億円だったと公表しました。 さらに、 4月末時点の基金残高は約9800億円。 しかし民…

【「ブルーカラービリオネア時代」は本当に来るのか 】

――AIが変えるのは“職種”ではない。「AIを扱える者」と「扱えない者」の階層である 【脱•幻想】ビリオネア論への冷や水 ――統計が語る、物流現場の「本当の立ち位置」 - 物流業界入門 最近、再び増えてきました。 「ブルーカラーの時代が来る」 「AIでホワイト…

【ロキソニン最大40%値上げの裏側】――「物流費高騰」は、どこまで価格転嫁されているのか

第一三共ヘルスケアが、 「ロキソニン」 「第一三共胃腸薬プラス」 「ミノン全身保湿ミルク」 など19品目を値上げすると発表しました。 値上げ幅は5〜40%。 近年では珍しくないニュースになりつつあります。 しかし今回、注目すべきなのはここです。 「物流…

【エアサスとは何か?】――“壊さず運ぶ”を実現する、振動制御インフラの正体

「エアサス」という言葉を聞くと、 高級車 カスタムカー 車高調整 をイメージする人も多いと思います。 しかし物流の世界において、エアサスは単なる快適装備ではありません。 “荷物の価値を壊さず運ぶための制御装置” です。 ■ そもそもサスペンションとは…

【多業種物流儀④】建築物流――「現場に間に合う」が最優先される、時間同期型サプライチェーンの正体

建築物流は特殊です。 単に「建材を運ぶ物流」ではありません。 そこでは、 足場材 鉄骨 石膏ボード 配管資材 電設資材 サッシ 天井材 屋根材 まで、 膨大な種類の重量物が、 別々のタイミングで現場へ流れ込みます。 しかも特徴的なのは、 “完成品”ではなく…

【なぜ“荷台で排尿”は起きたのか】――コープみらい事案が暴いた、物流の見えない限界

冷蔵品が汚損された。 原因は、配送中のドライバーによる不適切行為。 このニュースは強い違和感を残します。 「なぜそんなことが起きるのか?」 しかし本質はそこではありません。 なぜ“それをしてしまう環境”が成立していたのか ■ 事案の整理 コープみらい…

【構造考察】“待ち時間”は誰のコストか――2026年新設「取引環境改善コース」が突きつける、物流の責任再配分

2026年4月13日。 「働き方改革推進支援助成金(取引環境改善コース)」の申請受付が開始されました。 一見すると、よくある助成金制度に見えるかもしれません。 しかしこれは、単なる補助金ではありません。 物流の“歪み”を、構造ごと修正しにきた制度です。…

【冷凍倉庫とは何か】――「−25℃の世界」で問われるのは、温度ではなく“時間”

冷凍倉庫と聞くと、単に「寒い倉庫」を想像される方も多いと思います。 しかし実態は違います。 そこは、 品質を守る場所であり、 食品の価値を止める場所であり、 そして物流全体のリズムを制御する装置でもあります。 ■ 冷凍倉庫の基本 温度帯を整理します…

【物流構造思想ワード⑩】設計責任

――なぜ物流は“現場”ではなく“設計”で決まるのか 物流の問題は、現場にある。 そう思われています。 人手不足。 非効率な作業。 遅延。 ミス。 しかし、ここまでの①〜⑨で見てきた通り、 それらはすべて「結果」に過ぎません。 ■ ①〜⑨で明らかになったこと こ…

【多業種物流儀③】食肉物流――“温度を制する者が品質を制する” 三温度帯をまたぐ最難関オペレーション

食卓に並ぶ、肉料理。 焼肉、ハンバーグ、総菜、缶詰。 そのすべては、見えないところで徹底された「温度管理」によって支えられています。 食肉物流とは、単なる食品輸送ではありません。 品質・安全・鮮度を“温度で設計する物流” そして今、この領域は物流…

【アマゾンが「運ぶ側」に回った日】――物流の主語が変わる瞬間

――フェデックス急落の本質は“競合出現”ではない。物流のルールそのものが書き換わる 2026年5月。 米Amazon が、 自社物流ネットワークを外部企業へ開放する方針を打ち出しました。 これを受けて、 FedEx、 UPS の株価は急落。 市場は即座に反応しました。 し…

【中国が米制裁に「差し止め命令」】――エネルギー物流は誰が支配しているのか

――石油ではなく「物流と決済」を巡る静かな主導権争い 2026年5月2日。 中国商務省は、イラン産原油を購入したとして米国が中国の製油所5社に科した制裁措置に対し、これを阻止する差し止め命令を出したと発表しました。 対象となったのは、いわゆる「ティー…

【多業種物流儀②】給食配送の今――「当たり前の昼食」を支える、最も止めてはならないラストワンマイル

ーー学校のチャイムが鳴り 子どもたちは、いつものように給食の時間を迎える しかし、その「いつもの昼食」は、決して当たり前ではありません。 毎日、決まった時間に。 決まった温度で。 決まった品質のまま。 すべての学校へ、すべての子どもたちへ届けられ…

【物流BCP】奄美、梅雨入り。物流は「平時」から「雨季モード」へ

――本格的な大雨シーズン到来。いま企業が見直すべきサプライチェーン防災 2026年5月3日、気象庁は奄美地方が梅雨入りしたとみられると発表しました。 平年より9日早く、昨年より2日早い梅雨入りです。 しかも、今年全国で最初の梅雨入りとなりました。 いよ…

【多業種物流儀①】花はなぜ、枯れずに届くのか ――意外と知らない「生花物流」の構造を読み解く

物流というと、食品、日用品、工業製品を思い浮かべる方が多いかもしれません。 しかし、私たちの暮らしの中には、極めて繊細で、しかも時間との勝負を要する物流があります。 その代表例が「生花」です。 花は美しい。 しかし、その美しさを維持したまま消…

【「三菱」を外したロジスネクスト、その決断が示す物流業界の次章】

――フォークリフトメーカーから“物流ソリューション企業”へ。ブランド統合の先にある覇権戦略 2026年4月30日。 三菱ロジスネクストは、その名から「三菱」を外し、新たに「ロジスネクスト」として再出発しました。 一見すると、これは単なる社名変更に見える…

【構造考察】出光興産が挑む「都市鉱山」の動線設計 ── 使用済みプラを石油に戻す“逆走”サプライチェーンの衝撃

―― 焼却から循環へ。製油所が「再資源化ハブ」に変わる日 2026年4月27日、出光興産は千葉県市原市において、油化ケミカルリサイクル設備の商業運転を開始しました。 家庭や企業から排出される「ゴミ」としてのプラスチックを、年間2万トンの規模で「ケミカル…

【ニチレイ、インドネシア低温物流を買収】――ASEANコールドチェーン覇権への布石

――「冷やす力」と「海の要衝」を押さえる者が、次の物流地図を描く 物流の主戦場は、いま確実に日本の外へ広がっています。 その中でも、最も熱を帯びている市場の一つがASEANです。 そして、そのASEANでいま最も重要性を増しているのが、 「低温物流(コー…

【ヤマトが挑む「価格革命」 】── 燃料サーチャージ導入が告げる“送料無料時代”の終焉

―― コストの「内包」から「分離」へ。物流価格は“金融商品”へと進化する 中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰。この「外部不経済」がついに、日本の物流インフラの価格構造を根底から変えようとしています。 2026年4月30日、ヤマトホールディングスは法人…

【「リューベー」とは何か?】物流現場を支配する“見えない単位”を読み解く

物流の現場では、日常的にこんな会話が交わされています。 「この荷物、何リューベー?」 「この便、あと何リューベー積める?」 「保管料はリューベー単価で計算します」 一般の方には、あまりなじみのない言葉かもしれません。 しかし、物流業界では極めて…

【構造考察】固定残業代制度の落とし穴――物流企業が今すぐ見直すべき労務管理

物流業界では、人手不足と業務の波動性を背景に、 「みなし残業(固定残業代)」を導入している企業が少なくありません。 たとえば、 月30時間分の固定残業代を給与に含める 管理職候補に一定額の残業手当をあらかじめ支給する 配車担当や営業職に固定残業制…

【出光丸、ホルムズ突破の意味】――イランが日本船を通した本当の理由。「日章丸」が今も生きる、見えない信頼資産

中東情勢が再び、世界のサプライチェーンを揺さぶっています。 ホルムズ海峡――。 世界の原油輸送の大動脈であり、日本にとってはまさに「生命線」です。 その海峡を、出光グループが管理・運航する大型原油タンカー 「IDEMITSU MARU」 が通過しました。 しか…

【サッポロ×キリン共同配送】その本質は「競争」から「共創」への転換

――神奈川で始まる酒類物流再編と、その先にある“意外な盲点” 2026年6月、 日本の酒類物流において、 ひとつの象徴的な動きが始まります。 サッポログループ物流と キリングループロジスティクスが、 神奈川エリアで共同配送を開始します。 一見すると、 「配…

【バースとは何か?】――物流センターの「心臓」を制する者が、物流を制する

物流の現場で、 当たり前のように飛び交う言葉があります。 それが、 「バース」です。 しかし、この言葉を本当に理解している人は、 意外なほど多くありません。 物流業界の外ではもちろん、 時には業界の内側ですら、 「トラックをつける場所」程度に捉え…

【物流は「運んだ」から「証明できる」時代へ】――AIガバナンスと形式証明が変える、荷主責任の新基準

オンザリンクスと GhostDrift数理研究所が、 AIガバナンスと形式証明技術を活用した 物流証明基盤の構築 に向け、 戦略的パートナーシップを締結しました。 対象は、 まず製薬物流の コールドチェーンです。 これは単なる 物流DXではありません。 物流の価値…

【物流視点速報】UAEのOPEC離脱が日本企業に突きつける現実

――UAE依存4割超。日本のエネルギー調達は新たな局面へ UAE(アラブ首長国連邦)が OPECからの離脱を決断しました。 このニュースを、 「産油国の政治的駆け引き」と 捉えるだけでは不十分です。 日本にとってこれは、 エネルギー安全保障と物流コストに直結…