物流業界入門

物流業界の基礎から最新トレンドまで、現場経験を活かしてわかりやすく解説!

2026-01-01から1年間の記事一覧

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【物流構造設計】コストを「武器」に変える ── 戦略整理・壁打ち・執筆支援のご案内 【完結】物流構造思想ワードシリーズ 【完全保存版CLO特集】 新着記事 【物流構造考察・後編】 「2024年問題」は本当に人を辞めさせたのか(2026/07/17) 【いすゞが始め…

【物流構造考察・後編】 「2024年問題」は本当に人を辞めさせたのか

――不足しているのはドライバーではない。「利益を生み出せる企業」である 前編では、 86%の物流事業者が燃料費高騰を実感している一方で、その本質は原油価格ではなく、「利益を生み出せない物流構造」にあることを考察しました。 【物流構造考察・前編】 8…

【いすゞが始めた「交換式EV」という仕掛】――EVトラックを変えるのは電池ではない。「止まらない物流」という発想である

日本経済新聞で報じられた内容によると、いすゞ自動車はバッテリー交換式EV(電気自動車)の実用化に向けた取り組みを本格化しています。 2026年6月から横浜市内では、バッテリー交換式EVごみ収集車の実証実験を開始しました。 最大の特徴は、 約3分でバッテ…

【続報3•ニチレイシステム障害影響拡大と復旧の目処】

7月13日に発生したニチレイへのサイバー攻撃によるシステム障害は、日を追うごとに影響が拡大しています。 7月17日から順次業務を再開する予定と発表もされ、復旧の目処は見えたかたちです。 当初は、 「冷蔵倉庫のシステム障害」 として報じられました。 し…

【物流相談室①】「倉庫担当なのに物流全体のしわ寄せが来る」──現場担当者はどう立ち回ればいいのか

先日、ブログ読者の方からこのような相談をいただきました。 (一部内容を修正しています。) 「私は流通加工会社で倉庫の入出庫担当をしています。 うちの会社は繁忙期と閑散期があるのですが、今は閑散期にもかかわらず倉庫稼働率が100%近くあります。 物…

【続報2•ニチレイ障害がイオン・ヨークベニマルへ波及】

7月13日に発生したニチレイへの不正アクセスによるシステム障害は、その影響範囲をさらに広げています。 【ニチレイへの不正アクセスが示した本当の危機】――止まったのはシステムではない。「物流の時間」である - 物流業界入門 【続報•KFC全店へ波及したニ…

【 国が新設した「物流政策推進関係者会議」とは】――物流政策は「国が決める時代」から「現場とともに動かす時代」へ

国土交通省は7月14日、「物流政策推進関係者会議」の初会合を開催しました。 一見すると、新たな会議体が立ち上がっただけのニュースに見えるかもしれません。 しかし物流の構造を見る立場から言えば、本当に注目すべきなのは会議そのものではありません。 …

【続報•KFC全店へ波及したニチレイ障害】――止まったのは配送ではない。「外食サプライチェーン」そのものだった

ニチレイへの不正アクセスによるシステム障害は、物流会社だけの問題では終わりませんでした。 【ニチレイへの不正アクセスが示した本当の危機】――止まったのはシステムではない。「物流の時間」である - 物流業界入門 日本ケンタッキー・フライド・チキン(…

【GoQSystemのWMS連携強化とこの先】――APIをつないだのではない。「物流倉庫そのもの」をサービス化し始めた

GoQSystemは7月14日、通販一元管理システム「GoQSystem」とクラウド型WMS「ロジザードZERO」「mimosa」とのAPI連携を強化し、新たに6社の物流倉庫とのデータ連携に対応したと発表しました。 新たに連携した物流倉庫は以下の6社です。 清長(ロジザードZERO)…

【全日本トラック協会が求めた「燃料サーチャージ」】――燃料価格の問題ではない。「物流コストを社会全体で支える仕組み」が動き始めた

全日本トラック協会(全ト協)は7月9日、衆議院議員会館で開催された「自由民主党トラック輸送振興議員連盟総会」に対し、トラック運送業界の最重点要望事項を提出しました。 要望の柱は、 燃料等の安定供給および価格高騰への対応 道路関係施策 税制改正 の…

【石化事業再編が物流に与える影響】――削られるのはエチレンではない。「日本のサプライチェーンの重心」である

石油化学業界で再編の動きが加速しています。 国内需要の減少に加え、中国での大規模な設備増強による供給過剰を背景に、各社はエチレン生産設備の集約や石化事業の分社化を進めています。 三菱ケミカルグループは石化事業の分社化を検討するとともに、2030…

【ニチレイへの不正アクセスが示した本当の危機】――止まったのはシステムではない。「物流の時間」である

ニチレイは7月13日、システムへの不正アクセスによる障害が発生し、国内グループ会社の業務へ影響が出ていると発表しました。 現在、 ニチレイロジグループ各社の冷蔵倉庫における入出庫業務 ニチレイフーズの冷凍食品出荷業務 に影響が発生しています。 現…

【ナトリウムイオン電池を搭載フォークリフト実証実験】――変わるのは電池ではない。「物流インフラの前提」である

三菱ロジスネクストは、LIXILと共同でナトリウムイオン電池を搭載したバッテリー式フォークリフトの実証試験を実施しました。 実証試験は2026年3月から5月までLIXIL一関工場(岩手県一関市)で行われ、稼働時間や車両性能などの測定・記録を完了。その結果、…

【物流構造考察・前編】 86%が燃料高騰を実感。それでも運賃を上げられない物流業界の構造

――問題は原油価格ではない。「利益が生まれない物流構造」である X Mile株式会社が実施したモビリティ業界294名(経営者・管理職・現場担当者)への調査では、86.1%が燃料費の上昇を実感していることが分かりました。 その内訳を見ると、 「既に大きく値上…

【全東信の破産が物流に与える意外な波及】――止まったのは決済ではない。「サプライチェーンの資金循環」である

クレジットカード決済代行を手掛ける全東信が、2026年7月6日に大阪地方裁判所から破産手続開始決定を受けました。 負債総額は約1,259億円。 2026年最大規模の倒産となります。全東信は飲食店を中心に約20万店の加盟店を抱え、カード売上金の早期立替払いサー…

【全国初の取適法勧告が示した変化】――変わるのは法律ではない。「物流コストの考え方」そのものだ

公正取引委員会は7月10日、ミネベアアクセスソリューションズに対し、中小受託取引適正化法(取適法)に基づく勧告を行いました。 対象となったのは、運送会社に対して荷役作業や附帯業務を無償で行わせていたこと、さらに部品製造に必要な金型を無償で保管…

【宅配ボックスが犯罪の現場になる本当の理由】――狙われているのは宅配ボックスではない。「物流の信頼」である

宅配ボックスは、本来「再配達を減らす仕組み」として普及してきました。 物流の人手不足対策。 非対面での受け取り。 EC市場の拡大。 今では物流インフラの一部と言っても過言ではありません。 しかし、その宅配ボックスが犯罪に利用されるケースが相次いで…

【セイノーHDとAZ-COM丸和HDが描く物流BCPの新時代】――競争から共創へ。物流インフラはどう変わるのか

セイノーホールディングスとAZ-COM丸和ホールディングスは、「物流業界BCPネットワーク構想」を始動すると発表しました。 一見すると、 「災害時の相互支援体制」 というBCP(事業継続計画)のニュースです。 しかし、この構想の本質はそこではありません。 …

【最低賃金1500円の衝撃】 ――物流会社が今、本当に備えるべきこと

政府は「日本成長戦略」において、全国平均の最低賃金を遅くとも2030年代前半のできる限り早期に1,500円へ引き上げる方針を明確にしました。 これまで掲げてきた「2020年代に全国平均1,500円」という目標に対し、新たに達成時期を明示した形です。 一見する…

【ノーリツの下請法違反が示す問題点】――保管していたのは金型ではない。「サプライチェーン全体の見える化」が止まっていた

公正取引委員会は7月8日、住宅設備機器メーカーのノーリツに対し、下請法違反で勧告を行いました。 対象となったのは、給湯器などの部品製造に使用する金型です。 ノーリツは、発注のない金型5,242個を41社の下請事業者に無償で保管させていました。 最も長…

【スポットワーク求人倍率5.21倍の本当の意味】――人手不足が深刻化したのではない。「雇用」が物流インフラの一部へ変わり始めた

ツナグ働き方研究所が公表した「スポットワークマーケットデータレポート(2026年4月度)」によると、スポットワーク市場はさらに拡大しています。 今回の調査では、 求人倍率:5.21倍(前年同月比+2.21ポイント) 23カ月連続で前年同月を上回る 平均時給:…

【鋼材輸送トレーラーに「ほぼゼロ」初採用】――物流インフラは『運ぶ』だけでなく『つくる』段階から脱炭素へ

東京製鉄は、低CO₂鋼材「ほぼゼロ」が鋼材輸送トレーラーに初めて採用されたと発表しました。 採用された車両は、東京製鉄グループの物流会社である東鉄運輸が運用し、日本トレクスが製造した鋼材輸送トレーラーです。 使用されたのは荷台前方(フロントレー…

【AIインフラ競争は物流施設から始まる】 ――世界のデータセンター建設が物流市場を書き換える

ブルームバーグで報じられた内容によると、世界的なAI需要を背景とした巨大IT企業のデータセンター建設ラッシュが、新たな物流施設需要を生み出しています。 建設期間中は大量のサーバーや電源設備、冷却装置などを一時保管・搬入する物流施設が不可欠となり…

【越境ECで変わる日本郵便】――UGXプライムは「EMS」の進化ではなく物流の役割を変えるサービス

日本郵便は8月3日から、国際宅配サービス「UGX(ゆうグローバルエクスプレス)」の新オプションサービスとして「UGXプライム」を開始します。 さらに、今年3月から提供している「UGX越境EC配送サービス」についても、これまでの米国・カナダに加え、 英国 ド…

【宅配便の個数では見えない】――大手5社の最新データが示す「物流の新しい競争」

物流ニュースでは毎月のように、 「宅配便○%減」 「取扱個数○%増」 という数字が報じられます。 しかし、物流の構造を見る立場から言えば、 個数だけを見ても、本当の変化は見えてきません。 いま大手物流会社が競争しているのは、 「何個運んだか」ではな…

【組織構造考察】「公開ダメ出し」は教育ではない――改善されるべきなのは若手社員ではなく、「学習できない組織構造」である

ある物流現場で行われた約10人規模の社内ミーティング。 議題は、入社3年目の若手社員一人の改善点について。 本人が出席する中で、 ・業務上の課題 ・改善点 ・上長との習熟度チェック表 まで全員に公開され、参加者全員で確認・指摘が行われたそうです。 …

【物流コラム】七夕は「恋人の日」ではない ――一年に一度だけ交わる物流ネットワークを描いた、日本最古のサプライチェーン物語である

7月7日は七夕。 多くの人は、 「織姫と彦星が一年に一度だけ会える日」 「短冊に願い事を書く日」 という印象を持っているでしょう。 しかし物流という視点で見てみると、 七夕は単なる恋愛伝説でも、季節行事でもありません。 私は、 日本人が千年以上前か…

【人手不足の本当の原因はトラックではない】――物流改革ではなく、サプライチェーン再設計が始まった

日本スーパーマーケット協会(JSA)は通常総会にあわせ、「サプライチェーン全体最適による流通生産性改革」をテーマとした記念パネルディスカッションを開催しました。 製造、卸、小売、行政のトップが一堂に会し、 ・物流2024年問題 ・人手不足 ・商品マス…

【ゆうパック値上げの本当の意味】――郵便会社から総合物流企業へ

日本郵便は7月3日、「ゆうパック」の基本運賃を2026年10月1日から平均約10%(改定幅は約2~40%)引き上げると発表しました。 値上げの理由として、日本郵便は燃料価格や資材価格、人件費の上昇を挙げています。 一見すると、物流業界で相次ぐ値上げの一つ…

【倉庫コストは「結果」で見てはいけない】――本当に管理すべきなのは「仕事量」ではなく「仕事の複雑さ」である

米国の倉庫パフォーマンス管理企業「Easy Metrics」は6月30日、新たな倉庫運営評価指標「Targeted Cost to Serve(TCTS)」の提供開始を発表しました。 TCTSは、従来の「予算と実績を比較する」管理ではなく、 実際に現場で発生した仕事の複雑さを反映した"…