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【物流における「3PL」とは?②】|選定基準と契約設計で失敗を防ぐ

🚚物流における「3PL」とは?②|選定基準と契約設計で失敗を防ぐ

はじめに|3PLは“委託”ではなく“戦略パートナー”

3PL(Third Party Logistics)は、単なる外部委託ではなく、物流戦略の一部を担うパートナーです。
前回の記事(物流における「3PL」とは?外部委託のメリットと注意点 - 物流業界入門)では、3PLの定義やメリット・注意点を紹介しました。今回はその続編として、3PLの選定基準と契約設計のポイントを深掘りします。


🧠 3PL選定の基本視点

1. 自社の物流課題を明確にする

  • コスト削減?リードタイム短縮?品質向上?
  • 目的によって選ぶべき3PLのタイプが変わる

2. 3PLのタイプを理解する

タイプ 特徴 適用例
運送特化型 配送網・車両保有が強み 全国配送・宅配
倉庫特化型 保管・在庫管理が強み EC・卸物流
総合型 WMS・TMS・分析力が強み 戦略的改善・統合管理

📋 3PL選定のチェックリスト

1. 業界実績と専門性

  • 自社業界(アパレル・食品・医薬品など)での対応経験
  • 温度管理・法規制対応などの専門性

2. システム連携力

  • WMS・TMS・ECプラットフォームとのAPI連携
  • リアルタイム在庫・出荷状況の可視化

3. KPIと改善提案力

  • 納期遵守率・誤出荷率・在庫精度などのKPI提示
  • 定期的な改善提案・レポート提出の有無

4. コミュニケーション体制

  • 専任担当者の有無
  • 緊急対応・トラブル時の連絡体制

📑 契約設計のポイント

1. サービスレベル契約(SLA)の明文化

  • 納期遵守率、誤出荷率、在庫精度などを数値で定義
  • 未達時のペナルティ・改善義務を明記

2. 責任範囲の明確化

  • 誰が何を担うか(例:返品対応、在庫調整、棚卸)
  • 災害・事故時の対応責任

3. データの取り扱い

  • 在庫・顧客情報の管理方法
  • セキュリティ・バックアップ体制

4. 契約解除条件と移管対応

  • 解約時の在庫・データ・業務の引き継ぎ方法
  • 最低契約期間・違約金の有無

📚 成功事例:D社の3PL再選定プロジェクト(仮想)

  • 背景:誤出荷率1.5%、納期遅延が月20件以上
  • 対応
    • 3PL候補5社を比較し、WMS連携・改善提案力を重視
    • SLAを数値で定義し、月次レポート提出を義務化
    • 契約解除時の移管マニュアルを事前に整備
  • 成果
    • 誤出荷率0.3%に改善
    • 納期遵守率99.5%達成
    • 顧客満足度向上+契約継続率アップ

✍️ まとめ|“選び方”と“契約設計”が3PL成功の鍵

3PLは、委託するだけでは成果は出ません。
選定基準と契約設計を戦略的に整えることで、3PLは“改善パートナー”に進化します。

物流の外部委託は、コスト削減だけでなく、品質・スピード・柔軟性を高める手段です。
そのためには、選定と契約の“設計力”が不可欠です。


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