物流業界入門

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【構造で読む「父」の挑戦】 ――環境再生医の「推進役」という視点は、2026年物流経営の救世主か

最近、73歳になる私の父が「環境再生医」の資格取得に向けて勉強を始めました。いくつになっても未知の領域に挑むその姿勢には、身内ながら深く感銘を受けています。

しかし、この「環境再生医」という資格。 環境省の「環境人材認定事業」にも登録されている本格的なものですが、その役割を深く読み解くほどに、2026年の物流業界が喉から手が出るほど求めている「ある能力」と密接にリンクしていることに気づかされました。

父の挑戦から見えてきた、物流構造革命を突破するための「処方箋」を考察します。


1. 「環境再生医」の本質は、ステークホルダー間の「推進役」

環境再生医に求められる役割は、単に木を植えることではありません。 公式の定義によれば、「さまざまな立場で、地域のステークホルダーと共に活動を進める『推進役』となること」とあります。

これ、今の物流現場で求められている「CLO(物流統括管理者)」の役割そのものではないでしょうか。

  • 環境再生医: 市民・企業・行政を繋ぎ、「循環社会」を目指す。
  • 物流CLO: 営業・生産・荷主・運送会社を繋ぎ、「持続可能な物流網」を設計する。

父が学んでいるのは、バラバラな利害関係者の中心に立ち、共通のゴール(再生)へと導く「合意形成の技術」なのです。


2. 建設・金融・行政……「多職種」がこの資格を持つ意味

環境再生医として活躍しているのは、企業のSDGs担当、建設業、さらには金融機関のESG投資担当まで多岐にわたります。 この「多職種による参画」という構造は、2026年以降の物流が「物流部門だけで解決できない問題」になったことを示唆しています。

  • 建設×物流: グリーンインフラとしての「再生型倉庫」の設計。
  • 金融×物流: 脱炭素に取り組む物流企業への「ESG投資」の呼び込み。
  • 行政×物流: 取適法やGX政策を活用した、地域インフラとしての物流維持。

父が向き合っている学びは、物流を「単なる運送」から「社会循環のインフラ」へとアップデートするための、多角的な視点そのものなのです。


3. 国(5省)が認める「認定事業」という信頼の重み

環境再生医は、環境省を主務省としつつ、文科省農水省経産省、そして国交省が管轄する「人材認定等事業」に登録されています。 この「省庁横断」の枠組みこそが、物流GXの本質です。

2026年、カーボンプライシングや改正物流効率化法が施行される中、我々に必要なのは単なる「免許」ではなく、「国の方針(GX)と現場の利益を繋ぎ合わせる公的な視点」です。

父が73歳にして手にしようとしているのは、まさに「社会の仕組みを再生するためのライセンス」。それは、私たちが取適法を盾に荷主と交渉し、物流の地位を向上させようとする戦いにおいて、強力なバックボーンとなり得る考え方です。


4. 父の挑戦が教える「超長期」の経営診断

環境の再生には、数十年、時には百年単位の時間がかかります。 対して、これまでの物流経営は「明日のトラック」「来月の売上」という超短期の視点に囚われすぎていました。

2026年、物流が「経営の制約条件」となった今、我々に必要なのは、環境再生医のように「次世代にどのような循環(インフラ)を残すか」から逆算して、今日の設計図を引く視点です。


結論|物流の再生は、設計者の「意志」から始まる

父の「環境再生医」への挑戦は、私に大切なことを教えてくれました。 それは、「対症療法でごまかすのではなく、ステークホルダーを巻き込んで構造そのものを再生させる」という意志の力です。

物流業界も今、再生の時を迎えています。 取適法、CLO、GX、そしてカーボンプライシング。 これらはすべて、壊れかけた物流という社会インフラを「治療」し、再起動させるための道具です。

父が新しい教科書を開くように、私たち物流に携わる者も、これまでの「当たり前」を捨て、生物多様性ならぬ、物流の多様性と持続性」を軸とした新しい設計図を開くべき時が来ています。

物流の再生は、現場を正しく診断し、人々を繋ぐ「推進役」の意志から始まります。 父の背中を追いながら、私も物流の再設計という挑戦を続けていこうと思います。