物流業界入門

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【建設ロジが示す物流の逆襲】日本通運は、なぜ「現場の時間」を請求可能な価値に変えられたのか

――“責任の不法投棄”をビジネスに変えるフットワーク

ヤマトが効率化の罠に喘ぎ、トヨタグループが資本の論理で揺れる中、日本通運(NXHD)が極めて軽やかな、そして戦略的な一手を打ち出しました。

都市部の建設現場向け「建設ロジスティクス」の開始。 これは単なる「共同配送」のニュースではありません。 物流側が、これまで現場に押し付けられてきた「曖昧な責任」を自ら拾い上げ、付加価値へと変換する構造的転換です。


1. 建設現場という「責任の終着駅」を解剖する

高層ビルの建設現場は、まさに物流の地獄です。 - 各メーカーがバラバラに送り込む資材 - 常態化する車両待機 - 現場で滞留する荷受け・仕分け・運搬

これまで、これらの「非効率」は、ゼネコンや職人の「現場の努力」という名の責任投棄によって処理されてきました。

日本通運はこのカオスに対し、「門前倉庫での集約」と「現場内での間配り(横持ち)」をワンストップで提供すると宣言しました。 これは、物流が「現場の入り口(門)」で止まるのをやめ、建物の中という「聖域」まで責任の境界線を広げたことを意味します。


2. 「商従」を逆手に取った、圧倒的なフットワーク

私が第2回で指摘した、100年続く「商従(商流に従属する物流)」という呪縛。 日通のこのスキームは、その呪縛を逆手に取っています。

ヤマトが「数量減」に苦しむ一方で、日通は「建設工程」という商流の最深部に入り込みました。 - エレベーター運用会社と連携したフロア間配り - 復路での端材回収(NRBOX)と広域認定制度の活用

ここまで踏み込まれると、荷主(ゼネコン)はもはや日通抜きでは工程を組めなくなります。 「安く運ばせる」対象から、「いないと現場が止まるパートナー」への昇格。 これこそが、CLOが目指すべき「責任の再設計」の具体例です。


3. 【CLO視点】「作業」を売るな、「時間」を売れ

日通がこのスキームで提示しているのは、「運賃」ではありません。 「作業効率50%向上」「待機時間ゼロ」という「時間と確実性」です。

  1. 責任の明確化: 「誰がいつ運ぶか」という曖昧さをWMSで一括管理し、物流側が主導権を握る。
  2. プラットフォーム化: 一社で完結せず、複数の建設会社・サプライヤーを巻き込む「共通基盤」を目指す。
  3. グリーン物流のマネタイズ: CO2削減やJ-クレジット登録を視野に入れ、環境負荷を「コスト」から「価値」へ変換する。

結論:ヤマトの「守り」と、日通の「攻め」

これまで現場が「押しつけられて何とかしてきた時間」を、
日本通運は初めて「請求可能な価値」に変えた。

ヤマトが「数量を前提としたOS」の限界に直面しているのに対し、日通は「責任の空白地帯」に自ら飛び込むことで新しいOSを作ろうとしています。

このフットワークの軽さは、物流を「後始末」と考えている企業には絶対に真似できません。 「建設物流プラットフォーム」という発想は、まさにCLOが自社の壁を越えて構築すべき、未来の物流構造です。

物流は、もはや「運ぶ」だけの存在ではない。 現場の混沌を引き受け、整理し、時間を生み出す「経営のエンジン」になれる。 日通の試みは、その可能性を証明しています。


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