物流業界入門

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【CLO特集 外伝③】外部CLOとして「100日」で残す爪痕── 組織の空気を変え、「自律反発型物流」を残して去る

CLO(物流統括管理者)は、
単なる物流責任者ではありません。

それは本来、

企業のサプライチェーン構造を設計する役割

です。

しかし現実の日本企業では、
法制度が敷かれたばかりでCLOはまだ定着していません。

そのため多くの企業では、

外部CLO
↓
組織変革
↓
社内CLOへ引き継ぎ

という形で導入される可能性が高いでしょう。

では、外部から入ったCLOは
短期間で何を残すべきなのでしょうか。

今回の実務編では、

「100日で組織を変えるCLO」

という視点から考察していきます。


外部CLOの使命は「空気」を変えること

外部CLOの最大の役割は、

戦略を作ることではありません。

それは

組織の空気を変えること

です。

多くの企業の物流部門は、

現場最適
↓
部門最適
↓
全体最適不在

という構造に陥っています。

例えば次のような状態です。

  • 購買部門は仕入価格だけを見る
  • 営業部門は納期だけを見る
  • 物流部門は運賃だけを見る

結果として、

企業全体の物流コストは誰も見ていない

という状況になります。

ここに外部CLOが入ると、

まず行うべきことは

物流
=経営問題

という認識を
社内に定着させることです。


最初の30日:構造を「見える化」する

外部CLOが最初の30日で行うべきことは、

診断

です。

ここでは主に

物流コスト構造
輸送ネットワーク
在庫配置

を可視化します。

具体的には次のような作業です。

物流コストの分解

多くの企業では物流コストは

売上の◯%

というざっくりした数字で管理されています。

しかしCLOの視点では

輸送
保管
荷役
在庫

など細かく分解します。

すると多くの場合、

本当のボトルネック

が見えてきます。

例えば

  • 倉庫配置が非効率
  • トラック積載率が低い
  • 在庫分散が過剰

などです。

ここで重要なのは、

犯人探しをしないこと

です。

外部CLOの役割は

人を責める
ではなく

構造を変える

ことだからです。


次の40日:小さな勝利を作る

組織改革で重要なのは、

早期の成功体験

です。

外部CLOは次の40日で、

小さな改革
↓
即効果

の施策を実行します。

例えば次のようなものです。

共同配送の試験導入

同一エリアの納品を

複数配送
↓
共同配送

に変えるだけで、

トラック台数が減るケースがあります。

積載率の改善

配送ルートを見直すだけで

積載率
60%
↓
75%

になることも珍しくありません。

こうした改善は、

数字としてすぐに表れます。

すると社内では

物流改革
=成果が出る

という空気が生まれます。


最後の30日:仕組みを残す

外部CLOの最大の仕事は、

仕組みを残すこと

です。

なぜなら外部人材は、

いずれ必ず去るからです。

そのため最後の30日で行うべきことは

制度化

です。

例えば次のようなものです。

物流KPIの導入

物流はしばしば

コストセンター

として扱われます。

しかしCLO体制では、

物流は

経営KPI

になります。

例えば

  • 物流コスト率
  • 積載率
  • 在庫回転率

などを

経営会議で共有する指標

にします。

物流横断会議の設置

物流問題は、

営業
購買
生産
物流

すべてに関係します。

そのためCLOは

部門横断会議

を作ります。

ここで初めて

企業全体
の物流最適

が議論されます。


自律反発型物流組織とは何か

外部CLOが最終的に残すべきものは、

自律反発型の物流組織

です。

これはどういう意味でしょうか。

物流は今、

非常に不安定な環境にあります。

例えば

  • ドライバー不足
  • 燃料高騰
  • 地政学リスク
  • 港湾混雑

などです。

さらに最近では、

退職代行

の利用増加もあり、

人材流動性は高まっています。

つまり物流組織は、

常に衝撃を受ける

構造にあります。

そのため必要なのは

トップがいないと動かない組織
ではなく

衝撃に自ら反発する組織

です。

これが

自律反発型物流

です。


外部CLOが残す「爪痕」

100日後、

優れた外部CLOは

次の3つを残して去ります。

物流の可視化
物流の成果
物流の制度

この3つが残れば、

企業の物流は

元には戻りません。

なぜなら社内の認識が

物流=現場問題
↓
物流=経営問題

に変わるからです。


終章

CLOとは「去った後に効く改革」

CLOという役割は、

短期的な成果だけを求めるものではありません。

むしろ本質は

組織の構造
を変えること

です。

優れた外部CLOは、

派手な成果を誇りません。

代わりに、

企業の中に

物流という経営機能

を残して去ります。

そして数年後、

その企業は気づきます。

物流が
会社を
変えていた

という事実に。