物流業界入門

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【物流2026年問題】残業は減らない、荷主対策は12% ── “法改正だけ進む物流”の危険構造

物流2024年問題から約2年。

現場では、

  • 荷待ち
  • ドライバー不足
  • 倉庫滞留
  • 運賃交渉
  • 長時間拘束
  • 人材流出

といった問題が、むしろ深刻化しています。

しかし今回、非常に気になる調査結果が出ました。

フリーウェイジャパンが公表したアンケートによると、

「物流2026年問題」を理解している人は26.9%

に留まったのです。

2024年問題の理解度40.2%よりも低い。

つまり今、

物流現場では危機が進行しているにもかかわらず、

社会側の関心は逆に薄れている可能性があります。

これはかなり危険な兆候です。


■ 「2024年問題」は終わっていない

世間では、

「2024年問題はすでに過去の話」

として扱われ始めています。

しかし現場感覚でいえば、

むしろ本番はこれからです。

なぜなら2024年問題とは、

単なる残業規制ではなく、

「現場の我慢で成立していた物流構造」

が限界を迎えた話だからです。

これまでは、

  • ドライバーが長く走る
  • 倉庫が残業する
  • 配車担当が無理やり調整する
  • 荷待ちを飲み込む
  • 前集荷をサービスで回す

ことで成立していました。

しかし労働時間規制によって、

その“逃げ場”が消え始めています。


■ それでも「残業は変わらない」

今回の調査で特に重いのは、

物流事業者・ドライバーの84.6%が、

「残業時間は変化なし」

と回答している点です。

これはつまり、

制度だけ変わっても、

現場構造は変わっていない

ということです。

荷主都合の着時間。

直前変更。

至急対応。

荷待ち。

バース渋滞。

積み込み遅延。

こうした摩擦が残ったままなので、

結局しわ寄せは現場へ落ち続ける。

つまり今の物流は、

「法改正された旧構造」

のまま走っている状態です。


■ 荷主側の準備率「12.1%」の衝撃

さらに危機感を覚えるのがここです。

改正物流効率化法へ向けて、

対策を実施・検討している荷主企業は、

わずか12.1%。

これはかなり低い数字です。

物流は本来、

  • 発注
  • 在庫
  • 納品条件
  • リードタイム
  • バース運用
  • 入荷情報

まで含めて成立します。

しかし実態としては、

物流会社側だけに改善を求め、

荷主側の商流・発注構造はそのまま、

というケースがまだ多い。

結果、

現場だけが疲弊する。

これは私が最近取材した、

冷蔵倉庫や食品センターの声とも一致します。

  • 「特売なのに当日まで商品が来ない」
  • 「予定外の商品が急に来る」
  • 「休み前だけ異常入庫」
  • 「人がいないのに物量だけ増える」

こうした状態が今も続いています。


■ 「理解不足」が最も危険

今回の調査で怖いのは、

制度そのものへの賛成は70.3%ある点です。

つまり、

「なんとなく必要そう」

とは感じている。

しかし、

「具体的に何が変わるのか」

までは理解されていない。

ここが非常に危険です。

物流問題は、

表面だけ見ると、

  • ドライバー不足
  • 運賃上昇
  • 値上げ

に見えます。

しかし本質は、

「物流全体の接続不良」

です。

発注が遅れる。

情報共有が遅れる。

倉庫が詰まる。

トラックが待つ。

ドライバー拘束が伸びる。

残業が増える。

離職が増える。

さらに運べなくなる。

これは単なる人手不足ではなく、

サプライチェーン全体の“摩擦”なのです。


■ 「価格転嫁」だけでは終わらない

荷主側の67.7%は、

物流価格改定に対し、

「自社利益を削って対応」

していると回答しました。

もちろん苦しいと思います。

しかし現実には、

物流側も限界です。

燃料。

人件費。

車両価格。

保険。

修理費。

高速代。

すべて上がっています。

つまり今後は、

単純な値上げ交渉ではなく、

「物流そのものを減らす」

方向へ進まざるを得ません。

共同配送。

納品頻度見直し。

在庫戦略変更。

発注平準化。

拠点統廃合。

モーダルシフト。

物流は今、

“運び方”そのものの再設計フェーズ

に入っています。


■ 2026年問題の本質

私は以前から、

2024年問題の本質は、

「運べなくなること」

ではなく、

「滞留が連鎖すること」

だと考えています。

今回の調査結果は、

その危険性を裏付けているように感じます。

制度理解は低い。

荷主対策も進まない。

現場負担は変わらない。

しかし規制だけは進む。

このままいけば、

物流は徐々に、

静かに詰まり始めます。

そして怖いのは、

完全停止ではなく、

「なんとか回っているように見えながら崩れる」

ことです。

現場が我慢している間は、 外から崩壊が見えにくい。

だから対策が遅れる。

これが物流業界特有の危うさです。


■ 結論|物流は「社会インフラ」である

物流は、

安く、 早く、 当たり前に届くサービスではありません。

誰かの長時間拘束。

誰かの待機。

誰かの残業。

誰かの無理。

その上で成り立ってきた側面があります。

しかし今、 その構造が限界を迎えています。

2026年問題とは、

単なる制度改正ではありません。

それは、

「物流を本当に社会インフラとして扱うのか」

を問われる段階に入ったということです。

現場任せでは、 もう支えきれない。

だから今必要なのは、

  • 荷主
  • 倉庫
  • 運送
  • 小売
  • メーカー

すべてを含めた、

「物流構造の再設計」

なのだと思います。