物流業界入門

物流業界の基礎から最新トレンドまで、現場経験を活かしてわかりやすく解説!

【コンビニ内にあった郵便ポストもなくなっている】――ポスト減少は「郵便離れ」ではない。日本の物流重心が移動した証拠です

今日、ふと気付きました。

昔は当たり前のようにあった、

  • コンビニ店頭の郵便ポスト
  • スーパー横の郵便ポスト
  • 駅前の郵便ポスト

が、気付けば消えている場所が増えています。

実際に私の生活圏でも、

「あれ?ここポスト無くなった?」

と思う場面が増えました。

単なる設備撤去の話に見えるかもしれません。

しかし物流視点で見ると、

これは日本社会そのものの変化を映している現象です。


■ ポストは実際に減っている

日本郵便関連資料によると、全国の郵便ポスト設置数は長期的に減少しています。

2006年度には約19万2000本あったポストは、

2022年度には約17万5000本まで減少しました。

約1万7000本減少した計算になります。

つまり、

「気のせい」ではなく 「実際に減っている」

のです。


■ しかし本質は「ポスト削減」ではない

ここで重要なのは、

多くの人が

郵便局がコスト削減している

という見方をしますが、

本質はもっと根深いことです。

ポストが減ったのではありません。

郵便物そのものが減った

のです。

電子メール

SNS

LINE

電子請求書

電子契約

これらによって、

紙の情報物流は急速に縮小しました。

総務省資料でも、

国内郵便物数は2001年度をピークに大幅減少を続けています。

つまり、

昔は街中に大量に存在していた

「紙を運ぶ需要」

そのものが消えているのです。


■ 驚くべき現実

4本に1本はほぼ使われていない

さらに興味深いデータがあります。

日本郵便の資料を基にした報道では、

全国のポストの約25%が

1日平均1通未満しか利用されていない状態でした。

過疎地域ではさらに深刻です。

半数近いポストが

ほとんど利用されていないとされています。

つまり、

ポストは残っていても、

実質的には機能していない場所が大量に存在しているのです。


■ 物流視点で見ると「郵便」が消えたわけではない

ここを誤解してはいけません。

物流需要自体は減っていません。

むしろ増えています。

ただし、

運ばれるものが変わった

のです。


  • 手紙
  • はがき
  • 請求書
  • 契約書
  • 年賀状

  • EC商品
  • フリマアプリ商品
  • 宅配便
  • 置き配
  • 小口配送

つまり、

物流は縮小していない。

物流の中身が変わった。

これが本質です。


■ 赤いポストが減り、宅配ロッカーが増えた

街を観察すると分かります。

昔増えていたもの

  • 郵便ポスト
  • 郵便局窓口

今増えているもの

  • 宅配ロッカー
  • EC配送拠点
  • 置き配設備
  • 受取ステーション

です。

物流インフラの重心が、

「送る物流」

から

「受け取る物流」

へ移ったのです。


■ 日本郵便が抱える本当の問題

さらに構造的な問題があります。

郵便は法律上、

全国どこでも同じサービスを提供する

「ユニバーサルサービス」

が求められています。

つまり、

利用者がほとんどいなくても、

簡単には撤去できません。

しかし現実には、

  • 郵便物は減る
  • 人件費は上がる
  • 燃料費は上がる
  • 回収車は走らせ続ける

という状態です。

これは物流業界全体が抱える問題と同じです。


■ 2024年問題の本質とも繋がる

私は以前から、

物流2024年問題の本質は

「ドライバー不足」

ではなく

「処理能力を超えた構造」

だと考えています。

ポストも同じです。

需要が減っているのに、

ネットワークは昔のまま。

すると、

維持コストだけが残ります。

つまり、

ポスト減少とは

単なる設備削減ではなく、

物流ネットワークの再設計なのです。


■ 結論

ポスト減少は物流の衰退ではない

コンビニのポストが消えた。

駅前のポストが減った。

その光景を見て、

「郵便が衰退した」

と考える人は多いでしょう。

しかし物流視点で見ると違います。

これは、

紙を運ぶ社会から

モノを運ぶ社会への移行

です。

昔の物流は

情報を運んでいた

今の物流は

商品を運んでいる

だからこそ、

赤いポストは減り、

宅配ロッカーは増える。

これは衰退ではありません。

日本の物流が、

新しい需要に合わせて重心を移している証拠なのです。


物流軍師の視点

あなたの会社は、

消えつつある需要を守ろうとしていませんか。

それとも、

増えている需要へ重心を移せていますか。

物流とは、 トラックの話ではありません。

物流とは、

社会が何を運びたいと思っているのかを見抜く力です。