中部・北陸の青果卸売会社12社が共同出資し、新会社「チームフレッシュロジ中部(TFL中部)」を設立しました。
新会社は愛知県津島市の名古屋西流通センターを拠点に、共同輸配送、中継輸送、共同荷受け・検品・仕分け、コールドチェーン機能を担い、2027年6月以降の本格稼働を目指します。
2030年度には約5万750トン(うち中継輸送約3万トン)の集荷を目標としており、中部圏の新たな青果物流インフラの構築を掲げています。
■ これは「共同配送」ではなく物流インフラの共同化
今回のニュースを見て、
「青果卸が共同配送を始める」
と思った方もいるかもしれません。
しかし私は、もっと大きな意味があると考えています。
今回設立された会社が目指しているのは、
単なる共同配送ではありません。
物流機能そのものを共同で運営することです。
これまで各社が個別に行っていた
- 集荷
- 荷受け
- 検品
- 仕分け
- 中継輸送
- 温度管理
までを一つの物流インフラとして運営する構想です。
つまり、
物流を競争領域から外す
という発想です。
■ 最大の転換点は「競争相手同士」が組んだこと
今回参加した12社は、
本来であれば同じ市場で競争している青果卸売会社です。
通常であれば、
荷物も、
物流網も、
取引先も、
それぞれ自社で抱えます。
しかし物流を取り巻く環境は大きく変わりました。
- ドライバー不足
- 2024年問題
- 輸送コスト上昇
- 青果物の生産量減少
- 長距離輸送の維持困難
こうした課題の前では、
一社だけで物流を維持すること自体が難しくなっています。
だからこそ、
競争相手同士が物流だけは共同で運営するという判断に至ったのです。
■ 「物流を共同化し、商売は競争する」
私は以前から、
物流業界は
競争から共創へ
移行すると考えてきました。
今回の取り組みはまさにその象徴です。
商品は競争する。
販売は競争する。
サービスも競争する。
しかし、
物流だけは共同で行う。
この考え方は今後、
青果だけではなく、
食品、
日用品、
建材、
医薬品など、
さまざまな業界へ広がっていく可能性があります。
物流は企業ごとの差別化要素ではなく、
社会インフラになりつつあるからです。
■ 中継輸送は2024年問題への現実的な答え
今回の構想では、
名古屋西流通センターを中継拠点とする中継輸送も大きな柱となっています。
産地から各市場へ直接運ぶのではなく、
一度拠点へ集約し、
積み替えて各方面へ配送する。
これにより、
積載率向上、
長距離ドライバーの拘束時間短縮、
荷待ち時間削減、
輸送効率向上が期待されています。 物流効率化法が求める方向性とも一致しており、
単なるコスト削減策ではなく、
持続可能な物流網を維持するための仕組みづくりと言えるでしょう。
■ コールドチェーンも共同インフラになる
青果物流では、
運ぶだけでは品質は守れません。
温度管理まで含めて物流です。
今回の取り組みでは、
定温・冷蔵設備を活用したコールドチェーン機能も整備されます。
これにより、
鮮度維持だけでなく、
遠隔地への販路拡大、
小ロット出荷、
品質評価向上も期待されています。
物流は単なる輸送ではありません。
品質を維持する機能そのものなのです。
■ 私が注目したポイント
私は今回の記事を読んで、
物流業界はまた一歩、
新しい時代へ進んだと感じました。
これまでは、
「共同配送」
という言葉が中心でした。
しかしこれからは、
物流センター、
コールドチェーン、
中継輸送、
荷受け、
仕分け、
DXまで含めて、
物流機能そのものを共同で運営する時代
へ移っていくでしょう。
競争相手だから物流も別々。
そんな時代は終わりつつあります。
■ 物流は「競争力」から「社会基盤」へ
物流2024年問題以降、
私たちは何度も共同配送という言葉を耳にしてきました。
しかし、本当に変わり始めているのは配送だけではありません。
物流そのものが、
企業ごとの競争領域から、
業界全体で支える社会インフラへと役割を変え始めています。
今回の青果卸12社による新会社設立は、
その象徴的な事例ではないでしょうか。
これから企業が競うのは、
物流網をどれだけ囲い込むかではありません。
物流を共有しながら、商品やサービスで価値を競い合う。
そんな新しい競争の形が、青果物流から始まろうとしています。