物流業界入門

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【 7月は食品2566品目が値上げ】――値上げラッシュは終わらない。本当に上がっているのは「物流コスト」である

帝国データバンクによると、2026年7月に価格改定される飲食料品は2566品目となりました。

単月で2000品目を超えるのは3か月ぶり。

2026年通年では年間2万品目規模に達する見通しとなっています。

値上げ率の平均は11%

特に、

・加工食品(1084品目) ・パン(1078品目)

が大半を占めています。

しかし、

私はこのニュースを見るたびに思います。

値上がりしているのは食品ではありません。

本当に値上がりしているのは、

サプライチェーンそのものです。


食品メーカーは利益を増やしたい訳ではない

「また値上げか。」

そう感じる人も多いでしょう。

しかし、

今回の値上げ理由を見ると、

・包装資材価格 ・原材料価格 ・物流費 ・エネルギー価格

が重なっています。

特に今回は、

中東情勢の影響による原油・ナフサ価格上昇が、

トレーやフィルムなど包装資材へ波及し、

食品価格を押し上げています。

つまり、

メーカーが突然利益を増やそうとしている訳ではありません。

メーカー自身も、

コスト増を吸収し続けることが限界に近づいています。


「物流費」は見えない値上げだった

食品価格を見ると、

つい小麦価格や円安ばかりが話題になります。

しかし、

実際には物流費も大きな要因になっています。

2024年問題以降、

・ドライバー不足

・拘束時間規制

・積載効率改善

・荷待ち時間削減

など、

物流全体が構造転換期へ入りました。

当然、

輸送コストは以前より高くなります。

これは悪いことではありません。

今までが、

あまりにも安すぎたのです。

物流会社は長年、

人件費を削り、

長時間労働を前提に、

日本の安い物価を支えてきました。

そのツケが、

ようやく価格へ反映され始めています。


値上げラッシュは続くのか

結論から言えば、

簡単には止まりません。

帝国データバンクでは、

8月も約1900品目、

9月には3000品目超の値上げが予定され、

夏以降も値上げが本格化すると分析しています。

もちろん、

原油価格が落ち着けば一部は改善するでしょう。

しかし、

物流の人手不足は、

原油価格とは別問題です。

ドライバーは急には増えません。

倉庫作業員も不足しています。

人口減少も続きます。

つまり、

物流コストだけは、

これからも下がりにくい構造になっています。


対策は「安売り」ではない

では、

企業はどうすればいいのでしょうか。

答えは物流改善です。

例えば、

・共同配送

・配送頻度の見直し

・パレット標準化

・バース予約

・荷待ち削減

・積載率向上

・物流DX

こうした改善が、

食品価格を守ることにつながります。

値上げを抑える方法は、

メーカーへ

「頑張れ」

と言うことではありません。

物流全体を効率化することです。


消費者にもできること

消費者側にもできることがあります。

それは、

適正な物流コストを理解することです。

送料無料。

翌日配送。

何でも値上げ反対。

その価値観だけでは、

物流は維持できません。

日本の食品は、

毎日、

誰かが運んでいます。

その人たちの労働環境が改善されることは、

巡り巡って、

安定した食品供給につながります。


食品価格は「物流の通知表」

今回の2566品目という数字は、

単なる食品値上げのニュースではありません。

日本の物流が、

これまでの

「安さ最優先」

から、

「持続可能性」

へ舵を切り始めたことを示す数字でもあります。

食品価格は、

物流の通知表です。

物流が変われば、

価格が変わります。

価格が変われば、

企業も消費者も行動を変えていきます。

そして、その積み重ねが、持続可能な物流をつくっていきます。

値上げラッシュは、今後もしばらく続くでしょう。

しかし、その背景にある構造を理解すると、このニュースの見え方は大きく変わります。

食品価格の上昇は、単なる物価高ではありません。

日本の物流が次の時代へ適応しようとしている、その過程を映し出しているのです。

だからこそ、ニュースの数字だけを見るのではなく、その背景にある物流構造を読み解くことが、これからますます重要になってくるのではないでしょうか。