物流業界入門

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【続報2•ニチレイ障害がイオン・ヨークベニマルへ波及】

7月13日に発生したニチレイへの不正アクセスによるシステム障害は、その影響範囲をさらに広げています。

【ニチレイへの不正アクセスが示した本当の危機】――止まったのはシステムではない。「物流の時間」である - 物流業界入門

【続報•KFC全店へ波及したニチレイ障害】――止まったのは配送ではない。「外食サプライチェーン」そのものだった - 物流業界入門

7月13日。

ニチレイは不正アクセスにより、

  • ニチレイロジグループ各社の冷蔵倉庫における入出庫業務
  • ニチレイフーズの冷凍食品出荷業務

に支障が発生していることを公表しました。

現時点では個人情報や顧客情報の外部流出は確認されておらず、復旧時期は未定としています。

7月14日には、

日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)が食材配送への影響を公表しました。

全国店舗で、

  • 商品の一部欠品
  • メニュー制限
  • 営業時間短縮
  • 臨時休業の可能性

さらに、

モバイルオーダーやデリバリーサービスも停止する事態となりました。

そして7月15日。

影響は食品小売へも広がりました。

ヨークベニマルは、

ニチレイからの商品納品遅延により、

弁当やベーカリーコーナーで一部欠品が発生していると公表しました。

さらにイオンも、

ニチレイのシステム障害の影響により、

冷凍食品など一部商品の欠品が発生していることを明らかにしました。

またネットスーパーについても、

冷凍食品やアイスクリーム、総菜、寿司などで欠品や販売休止の可能性を発表していますが、この影響についてはニチレイ障害との因果関係を現在調査中としています。

一見すると、

「スーパーの商品が欠品した」

というニュースです。

しかし物流の視点から見ると、本当に止まり始めているのは商品ではありません。

日本の食品サプライチェーンそのものです。


時系列で見ると、物流障害の拡大がよく分かる

今回の出来事は、

わずか三日間で影響範囲が急速に広がっています。

7月13日

物流センター・冷蔵倉庫・冷凍食品出荷業務へ影響。

7月14日

外食チェーン(KFC)の店舗運営へ波及。

7月15日

食品スーパー(ヨークベニマル・イオン)の店頭販売へ波及。

つまり、

物流センターで発生したシステム障害が、

外食。

小売。

そして消費者の買い物へと連鎖しているのです。


欠品したのは商品ではなく「時間」である

食品物流では、

在庫だけでは商売は成り立ちません。

重要なのは、

決められた時間に、

決められた数量を、

決められた店舗へ届けることです。

今回止まったのは、

その時間でした。

物流センターで入出庫が止まれば、

配送便は編成できません。

配送できなければ、

店舗では商品が並びません。

店舗に商品が並ばなければ、

消費者は「欠品」として初めて物流障害を認識します。

つまり、

物流障害は時間差を伴って社会へ現れます。

今回まさに、

その典型例となりました。


サイバー攻撃は一企業では終わらない

今回攻撃を受けたのはニチレイです。

しかし、

実際に影響を受けたのは、

物流会社だけではありません。

外食。

食品スーパー。

ネットスーパー。

消費者。

物流は一社だけで完結する産業ではありません。

だからこそ、

一つの物流インフラが止まると、

影響はサプライチェーン全体へ波及します。

これは従来の自然災害と同じです。

違うのは、

原因が台風でも地震でもなく、

サイバー攻撃だったことです。


倉庫は「社会インフラ」へ変わっていた

昔の物流センターは、

荷物を保管する施設でした。

しかし現在は違います。

物流センターは、

WMS。

配送管理システム。

在庫管理。

発注管理。

店舗補充。

これら全てをデジタルで制御しています。

つまり、

物流センターとは、

建物ではなく情報インフラなのです。

情報が止まれば、

荷物は動きません。

今回、

KFC。

ヨークベニマル。

イオン。

それぞれ違う業態へ影響が広がったことは、

物流インフラが業界を越えて一体化していることを示しています。


今後、物流会社と荷主企業が備えるべきもの

今回の事案は、

物流BCPの考え方を大きく変える出来事になりました。

これから必要になるのは、

・サイバーBCP

・複数物流会社による分散

・複数システム運用

・代替物流ネットワーク

・アナログ運用への切り替え手順

です。

物流DXとは、

便利にすることではありません。

止まっても社会を止めない仕組みを作ることです。


おわりに

7月13日に物流センターで始まったシステム障害は、

7月14日に外食チェーンへ、

そして7月15日には食品スーパーへ広がりました。

この三日間が示したのは、

物流が一社だけで完結する時代ではないという現実です。

物流とは、

工場から店舗へ荷物を運ぶ仕事ではありません。

物流とは、社会全体を一つのサプライチェーンとして支え続ける社会インフラなのである。