物流業界入門

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【続報3•ニチレイシステム障害影響拡大と復旧の目処】

7月13日に発生したニチレイへのサイバー攻撃によるシステム障害は、日を追うごとに影響が拡大しています。

7月17日から順次業務を再開する予定と発表もされ、復旧の目処は見えたかたちです。

当初は、

「冷蔵倉庫のシステム障害」

として報じられました。

しかし、その後の状況を見ると、この出来事は単なる物流会社のトラブルではありませんでした。

外食チェーン。

食品メーカー。

スーパーマーケット。

ディスカウントストア。

物流センターで発生した障害は、食品サプライチェーン全体へと波及しています。

一見すると、

「一企業のシステム障害」

というニュースです。

しかし物流の視点から見ると、本当に止まり始めているのはシステムではありません。

日本の食品サプライチェーンそのものです。


時系列で見ると影響の広がりがよく分かる

今回の事案は、わずか3日間で影響範囲が大きく広がりました。

【7月13日】

ニチレイは、サイバー攻撃によるシステム障害が発生したことを公表しました。

影響が確認されたのは、

  • ニチレイロジグループ各社の冷蔵倉庫における入出庫業務
  • ニチレイフーズの冷凍食品出荷業務

です。

現時点では個人情報や顧客情報の外部流出は確認されておらず、調査が続けられています。

この段階では、

「物流センター内の問題」

と受け止められていました。


【7月14日】

影響は物流センターの外へ広がります。

日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)は、

物流委託先であるニチレイのシステム障害を受け、

全国の店舗で

  • 一部商品の欠品
  • メニュー制限
  • 営業時間短縮
  • 臨時休業の可能性

を公表しました。

さらに、

  • モバイルオーダー
  • オンライン注文
  • デリバリーサービス

も一時停止しました。

物流センターの障害が、

外食チェーンの店舗運営へ直接影響した瞬間です。


【7月15日】

さらに影響は食品小売業へ広がりました。

ヨークベニマルは、

ニチレイからの商品納品が滞ったことにより、

  • 弁当
  • ベーカリーコーナー

で一部欠品が発生していることを公表しました。

イオンでも、

冷凍食品など一部商品の欠品が確認されています。

また、

ネットスーパーでは、

  • 冷凍食品
  • アイスクリーム
  • 惣菜
  • 寿司

などで販売休止や欠品の可能性を公表しました。

なお、ネットスーパーへの影響については、ニチレイのシステム障害との因果関係を調査中としています。

このほか、

  • くら寿司
  • ドン・キホーテ
  • テーブルマーク

でも商品の欠品や出荷停止などの影響が確認されています。

つまり、

物流センターから始まった障害が、

外食。

食品スーパー。

食品メーカー。

小売業へと連鎖的に広がっているのです。


「在庫がある」のに商品が並ばない理由

一般の人は、

「商品があるなら運べばいい」

と思うかもしれません。

しかし現在の食品物流は違います。

物流センターでは、

WMS(倉庫管理システム)が

  • 入庫
  • 在庫管理
  • ピッキング
  • 出荷指示
  • 配送計画

までを一元管理しています。

システムが停止すると、

商品が実際に倉庫へ保管されていても、

「何を」

「どこへ」

「どの便で」

届けるか判断できません。

つまり、

在庫があることと、供給できることは別の話なのです。


欠品したのは商品ではない

今回欠品したのは、

本当に商品だったのでしょうか。

私は違うと思います。

欠品したのは、

時間です。

食品物流は、

決められた時間に、

決められた数量を、

決められた店舗へ届けることで成立しています。

その時間が失われると、

物流センター。

配送。

店舗。

消費者。

すべてへ影響が広がります。

物流では、

時間も品質の一部なのです。


サイバー攻撃は一企業だけでは終わらない

今回攻撃を受けたのはニチレイです。

しかし、

影響を受けたのは

ニチレイだけではありません。

物流会社。

食品メーカー。

外食チェーン。

食品スーパー。

小売業。

そして消費者。

物流は一社だけで完結しないからこそ、

一つの物流インフラが止まると、

サプライチェーン全体へ影響が波及します。

これは、

地震や豪雨などの自然災害と同じ構造です。

違うのは、

原因がサイバー攻撃だったという点です。


復旧が始まっても終わりではない

ニチレイは、

7月17日から順次業務を再開する予定としています。

これは物流機能の回復に向けた大きな一歩です。

しかし、

システムが復旧した瞬間に、

物流が元通りになるわけではありません。

滞留した出荷。

配送スケジュールの再調整。

店舗在庫の補充。

欠品商品の供給。

物流には、

復旧後の「追いつく時間」も必要になります。

だからこそ、

今回の影響はシステム復旧後もしばらく続く可能性があります。


おわりに

今回のニチレイへのサイバー攻撃は、

物流会社一社のシステム障害では終わりませんでした。

わずか3日間で、

物流センターから、

外食チェーン、

食品スーパー、

食品メーカー、

小売業へと影響が広がりました。

これは、

日本の食品物流が高度にデジタル化され、

一つのサプライチェーンとして密接につながっていることを示しています。

これから物流会社や荷主企業に求められるのは、

災害対策だけではありません。

サイバー攻撃を前提としたBCP。

複数物流会社によるリスク分散。

システムの多重化。

そして、

サプライチェーン全体で物流を守るという考え方です。

物流とは、単に荷物を運ぶ仕事ではありません。

物流とは、モノ・情報・時間を止めることなく社会へ届け続け、サプライチェーン全体を支える社会インフラなのである。

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